開業税理士と所属税理士の年収を比較してみた!

最終更新日 2024年8月23日

開業税理士と所属税理士の年収を比較してみた!

日本における税理士の活動形態は主に開業税理士と所属税理士の二つに分けられます。

開業税理士は自分で事務所を構えて個別のクライアントと契約を結んで収入を得ます。
所属税理士は企業の内部スタッフとして働く形態をとります。

税理士が開業する時に気になるのは年収。そこで今回は開業税理士と所属税理士の年収を比較して、それぞれの役割と職務の違い、そしてその影響を受ける収入の違いを見ていきましょう。

開業税理士・所属税理士、どちらの選択が自身のキャリア目標やライフスタイルに最適なのか、本記事を通じて考察してみてください。

開業税理士と所属税理士の年収目安は下記です。(令和5年賃金構造基本統計調査より)

 開業税理士所属税理士
年収 平均年収300万円~1億円以上 平均 約3000万円475万5000円~1071万9000円 平均746万6000円

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開業税理士とは?

開業税理士とは?開業税理士の業務内容と働き方

開業税理士とは、自己の専門知識と技能を活かし、個々のクライアントに対して税務に関するアドバイスを提供したり、税務申告書の作成支援、税務監査への対応など、様々なサービスを提供する独立した専門家を指します。
開業税理士は自身で事務所を設け、事業主や個人に対して税務に関するコンサルティングを行います。

開業税理士は自分の時間を自由に管理できるという点で、所属税理士と比べて柔軟性があります。
しかし、自身でクライアントを探し、ビジネスを成長させる責任があるため、初期段階では大きなプレッシャーとなることもあります。また、自己の能力や評判が直接収入に影響を与えるため、質の高いサービスを提供し続けることが求められます。

開業税理士の年収については、ビジネスの規模や成功度合い、地域や専門分野などにより大きく異なり、個人差は所属税理士よりも圧倒的に大きくなります。

一般的には一定の基本給を得る所属税理士の収入よりも高くなることが多いです。
開業税理士の年収は経験年数やスキルセットによっても大きく変動します。

成功した開業税理士の年収は数千万円~1億円以上にもなります。

ただし、その一方でリスク・責任・プレッシャーなども高まります。

また、開業税理士は、自分自身が事業主となるため、税金の計算だけでなく、経営に関する知識も必要です。
経営戦略、マーケティング、人事管理など、税務だけでなくビジネス全般にわたる知識が求められます。
これらを積み重ねて開業税理士として成功すると、大きな報酬と満足感を得ることができます。

 開業税理士の業務内容と働き方

開業税理士の主な業務内容を簡単にご紹介します。

開業税理士の業務内容一般的な税理士業務 経営方針の決定
事務所経営
マーケティング 顧客獲得
売上管理 クライアントサポート 人材管理
開業税理士の働き方時間に自由な働き方ができる
収入を自分で調整できる
直接クライアントと関れる
ビジネス運営が経験できる
定年がないので生涯現役
責任と裁量が大きい

開業税理士の働き方は以下のような特徴があります。

自由な働き方: 開業税理士は自由な働き方ができる点が最も特徴的です。自分のスケジュールを自由に設定でき、どこで働くかも自由です。オフィスを構えることもあれば、自宅で仕事をすることも可能です。
収入を調整: 事務所運営の最大のメリットとして、自身の収入を調整できます。300万なら300万の仕事、1億なら1億の仕事を選択することができます。
直接クライアントと関わる: 顧客獲得、契約交渉、サービス提供といった全ての業務を自身で行います。これにより、直接クライアントと接触し、その要望やニーズを理解する機会が増えます。
ビジネス運営: 自己の事業として税理士業を運営するため、経営に関する知識やスキルも求められます。マーケティング、財務管理、人材管理など、税務だけでなくビジネス全般に関する業務が発生します。
定年がない: 開業税理士は所属税理士とは異なり、雇用契約の範囲に収まりません。そのため定年退職という概念から外れて生涯現役で働くことができます。
責任と裁量: 事務所の責任者として従業員の人生を大きく左右する裁量を獲得すると同時に、大きな責任を担うことになります。

以上のように、開業税理士は専門性と独立性を活かした働き方が特徴となりますが、それは同時に一定のリスクと責任も伴います。クライアントのニーズを満たし、業務を成功させるための努力と献身が求められます。

一般的な税理士業務については、こちらの記事を参考にしてください。

所属税理士とは?

所属税理士とは?所属税理士の業務内容と働き方

所属税理士とは、企業や税理士法人に所属し、内部のスタッフとして税務に関する業務を担当する税理士のことを指します。業務内容は税務申告の準備、税務監査への対応、税務計画の立案など、開業税理士と大差ありませんが、その活動の範囲や責任が主に所属する組織内に限定されるのが特徴です。

所属税理士の働き方は、一般的なサラリーマンと同様で、企業や組織の定めた時間帯に働くことが多く、比較的定型的な労働時間があります。また、開業税理士とは異なり、クライアント獲得やビジネス運営といった業務は基本的に求められません。

年収については、所属する組織の規模や業績、経験やスキルセット、そしてその組織の給与体系などにより大きく変動します。

所属税理士の年収は平均でも746万6000円と一般的なサラリーマンよりも高いです。また、基本給として一定の給与を得るため、開業税理士と比べて収入が安定していると言えます。

しかしながら開業税理士が得る高額な収入に比べると、上限は一般的には低いです。

また、所属税理士は企業や組織の内部スタッフとして働くため、税務だけでなく、その企業のビジネス全体を理解し、他の部署と協力して業務を進める必要があります。この点では、コミュニケーション能力や組織の一員としての協調性も求められます。

 所属税理士の業務内容と働き方

所属税理士の業務内容一般的な税理士業務
所属税理士の働き方安定した収入
定型的な業務時間
チームでの働き方
営業活動をしなくてよい
責任と裁量が小さい

所属税理士の働き方は以下のような特徴があります。

安定した収入: 所属税理士は安定した収入が特徴的です。月給制や年俸制で雇用されているため、収入が保証されます。開業税理士とは異なり、安定した収入が圧倒的な利点です。
定型的な労働時間:
一般的には企業の定めた時間帯に働きます。しかし、税務申告期などのピーク時には残業が発生することもあります。
チームでの働き方:
企業の内部スタッフとして、他の部署と協力して業務を進めることが求められます。したがって、コミュニケーション能力や協調性が重視されます。
営業活動:
基本的には税理士業務外の業務は行いません。そのため新規顧客の獲得などを目的とした営業活動などは行わずに、自身の税理士業務に専念することができます。
責任と裁量: 責任と裁量は自身の業務範囲で決まりますが、開業税理士と比較すると少ないものになります。

以上のように、所属税理士は一定の規則性と安定性を持った働き方が特徴です。企業の一員として税務業務を担当するため、税務だけでなく、一般的なビジネスの知識やスキルも必要とされます。

開業税理士と所属税理士の年収比較

開業税理士と所属税理士では、その職務の性質から、彼らの年収に大きな違いがあります。それぞれの特性とその影響について詳しく見ていきましょう。

開業税理士の年収(2004年度)

開業税理士の年収(2004年度)

 

総所得割合
300万円未満24.0%
300万円以上15.2%
500万円以上13.9%
700万円以上14.2%
1000万円以上12.8%
1500万円以上7.0%
2000万円以上5.1%
3000万円以上2.5%
5000万円以上0.8%
1億円以上0.1%
無記入4.6%
平均約 3000万円

開業税理士の年収(2022年度)

開業税理士の年収(2013年度)
総所得割合
300万円以下31.4%
500万円以下16.7%
700万円以下12.0%
1000万円以下13.5%
1500万円以下11.0%
2000万円以下5.0%
3000万円以下3.4%
5000万円以下1.5%
5000万円以上0.5%
無記入5.0%

日本税理士連合会による開業税理士の年収アンケートの結果です。
2004年度では300万円未満~1000万円未満の回答合計は67.3%
2022年度では300万円未満~1000万円未満の回答合計は73.6%
上記のような比率になっていることから、半数以上の開業税理士はこの枠に収まることが多いでしょう。多くの開業税理士は年収として300万円から1000万円程度を見込むことができると言えます。

一方で経験豊富で成功した開業税理士は、年収として数千万円から1億円以上を得ることもあります。年収1000万円以上の回答は20%を超えることから期待も膨らみます。

半面300円未満の年収と回答している開業税理士も24%と最も比率が大きくなっています。開業税理士として成功することの厳しさも見て取れます。

開業税理士は独立したビジネスオーナーであり、その年収は主に自身が経営するビジネスの成功度に左右されます。このため、収入は非常に変動性があり、ビジネスの規模や成功度合い、地域、専門分野、経験年数、スキルセットなどによって大きく異なります。

成功した開業税理士は、1億円以上もの高額な年収に到達する可能性があります。
これには開業税理士が直接クライアントと関わり、提供するサービスの価格を自由に設定できるためです。
その一方でビジネスが軌道に乗らないと収入が増えづらいという面もありますので注意が必要です。

  開業税理士が年収を上げるためにできること

開業税理士が年収を上げるためにできることはいくつかありますが、以下の点を特に考慮することをお勧めします。これらの要素は一部の事例を示しており、個々の税理士の状況により適応可能なものとそうでないものが存在します。また、このリストの順序は一般的な優先順位を示していますが、特定の状況によっては変更することが可能です。

専門分野: 特定の業界や税務領域に精通していれば、その分野のクライアントから高額な報酬を得ることができます。これには、相続税、国際税務、不動産税、企業の再編成やM&Aなど、高度な専門知識を必要とする分野が含まれます。

ネットワーキングとリファラル: 税理士業界やクライアントの業界でのネットワーキングは、新たなビジネスの機会を得るために重要です。また、既存のクライアントからの紹介や推薦は、新たなクライアントを獲得するための信頼性のある方法です。

サービスの多様化: 税務申告だけでなく、税務計画、会計、財務アドバイザリーなど、より幅広いサービスを提供することで、クライアントからの収益を増加させることができます。

価格設定の見直し: 自分の提供するサービスの価値を適切に反映した価格設定を行うことが重要です。これには、定期的に市場調査を行い、価格を調整することが含まれます。

技術の活用: 最新の会計ソフトウェアやデジタルツールを活用することで、業務の効率化を図り、時間を節約することができます。これにより、より多くのクライアントを扱うことが可能になります。

クライアントサービスの改善: クライアントのニーズを満たし、期待を超えるサービスを提供することで、クライアントのロイヤリティを高め、長期的なビジネスを確保することができます。これには、クライアントの問い合わせへの迅速な対応、高品質な業務の提供、パーソナライズされたサービスの提供などが含まれます。

教育と継続的な学習: 税法は常に変わるため、最新の法律、規制、業界のトレンドを把握することは極めて重要です。これにより、クライアントに最新のアドバイスを提供し、自身のスキルセットを維持・強化することができます。

マーケティングと広告: 自身のサービスを広く知らせるために、適切なマーケティングと広告戦略を実行することが重要です。これには、ウェブサイトの構築、ソーシャルメディアの活用、ローカルなイベントへの参加などが含まれます。

所属税理士の年収

年齢別の所属税理士の平均年収は下記です
※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2020年発表)

区 分年収企業規模計(10人以上)     
年齢勤続
年数
きまって支給す
る現金
給与額
 年間賞与 その他特 別給与額労働者数
所定内給与額
公認会計士
税理士
746万6000円42.49.8476.8439.01744.8 2 242
 ~19歳 
 20~24歳475万5000円24.02.0317.2278.2948.4  140
 25~29歳568万0000円27.84.1370.4310.31235.3  233
 30~34歳619万2000円32.74.7383.6352.31588.7  229
 35~39歳722万8000円37.76.8442.7400.31915.1  371
 40~44歳794万7000円42.410.8481.2420.12172.5  315
 45~49歳819万6000円47.812.2535.5494.21769.9  418
 50~54歳868万2000円51.89.6589.1576.91612.4  274
 55~59歳1071万9000円58.319.3642.0633.33015.1  158
 60~64歳598万8000円62.319.7426.7408.2867.4  40
 65~69歳661万1000円66.921.7416.8402.01609.2  22
 70歳~629万4000円75.538.0517.5517.584.3  41

一般的には、年収は400万円から800万円程度で、経験豊富な税理士や管理職になると1000万円を超えることもあります。

所属税理士の年収は比較的安定しています。安定の理由は、所属税理士が企業や組織から一定の基本給を得るためです。企業の規模や業績、個々の経験やスキル、企業の給与体系によっては、一定のボーナスや昇進による給与増加も期待できます。

しかし、所属税理士は組織に所属しているため、開業税理士と比べて収入の上限は一般的には低くなります。自分自身でビジネスを経営し、自由に価格を設定できる開業税理士とは異なり、所属税理士の収入は企業の給与体系によって大部分が決定されます。

  所属税理士が年収を上げるためにできること

所属税理士が年収を上げるためにできることはいくつかありますが、以下の点を特に考慮することをお勧めします。このリストの順序は一般的な優先順位を示していますが、特定の状況によっては変更することが可能です。

専門分野: 特定の税務領域や業界に精通していると、その分野の重要なプロジェクトに関与する機会が増え、高い評価を受ける可能性が高まります。その結果、昇進や賃金上昇の可能性が高まるでしょう。

成果の報告: あなたが手掛けたプロジェクトや任務が組織の成功にどのように貢献したかを明確に示すことは、パフォーマンス評価や賃金交渉において重要です。

継続的な教育とスキルの向上: 税法や関連する規制は常に変化しています。最新の知識を維持し、新しいスキルを習得することで、あなたの価値を高め、昇進や賃金上昇の可能性を高めることができます。

リーダーシップ能力の開発: チームやプロジェクトの管理に必要なリーダーシップ能力を開発することで、高い役職に昇進する可能性が高まります。リーダーシップ能力は、チームメンバーを効果的に指導し、プロジェクトを成功に導くために必要です。

ネットワーキング: 組織内外でのネットワーキングは、新たな機会を開くために重要です。他の部署や組織の人々との関係を築くことで、あなたの視野を広げ、キャリアの可能性を広げることができます。

コミュニケーションスキルの強化: クライアントやチームメンバーと効果的にコミュニケートする能力は、所属税理士としての成功に不可欠です。優れたコミュニケーションスキルは、より高い評価と昇進の機会をもたらすことがあります。

積極性と主体性を示す: 自ら新たなプロジェクトを立ち上げたり、チームや組織の問題解決に取り組む積極性を示すことは、組織のリーダーシップから評価され、昇進や昇給につながる可能性があります。

労働条件の交渉: 昇給や昇進の際には、自身の成果や価値を明確に示し、適切な報酬を求めるための交渉スキルが必要です。

ワークライフバランスの維持: 長期的なキャリア成功のためには、ストレスの管理とワークライフバランスの維持が重要です。適切な休息とリラクゼーションは、パフォーマンスと効率を向上させ、長期的なキャリアの成長に寄与します。

結論

開業税理士と所属税理士では、職務の性質と収入の安定性から、その年収に大きな違いが見られます。

開業税理士は高額な収入を得る可能性がある一方でリスクも高いです。

所属税理士は安定した収入を得ることができますが、収入の上限は開業税理士よりも低い傾向があります。

税理士としてのキャリアを考える際には、自身の職業観や働き方への価値観、リスク許容度、生活状況などを考慮に入れることが重要です。

開業税理士として独立を希望する人は、高いリスクを取ることで大きな報酬を得る可能性があります。これは、新しいクライアントを獲得し、ビジネスを拡大し、価格を設定する自由があるためです。しかし、その成功は、自分自身の能力、努力、ビジネス環境、市場状況など、多くの要素に依存します。

一方、所属税理士は比較的安定した給与を得ることができます。所属する企業や組織が提供するリソースやネットワークを活用して働くことができ、ビジネス運営のリスクからは一定の保護を受けることができます。しかし、その一方で、所属税理士の給与は一般的に企業の給与体系により規定され、個々のパフォーマンスや企業の業績に依存します。

年収から見る、開業税理士に向いている人

開業税理士に向いている人とは?

開業税理士に向いている人は、独立して自己のビジネスを運営する能力と動機があることが一般的に重要です。具体的には、以下のような特性や能力を持つ人が開業税理士に適しています。

経営スキル: 自分の税理士事務所を運営するには、ビジネスマネジメントの基礎的な知識が必要です。これには、マーケティング、財務管理、人材管理、業務効率化などが含まれます。

リーダーシップ: 独立して働く場合、あなた自身がリーダーとなり、ビジネス戦略を立て、日々の意思決定を行う責任があります。また、将来的にスタッフを雇う場合、彼らを指導し、モチベートする能力が求められます。

顧客獲得のスキル: 開業税理士として成功するためには、新たなクライアントを獲得し、既存のクライアントとの良好な関係を維持する能力が不可欠です。これには、ネットワーキング、営業スキル、そして優れた顧客サービスが必要です。

自己管理能力: 開業税理士は自身の時間を管理し、自己モチベーションを維持する必要があります。また、多くの場合、プレッシャーの下でも一貫した高品質のサービスを提供する能力が求められます。

リスク管理能力: 自身のビジネスを運営するということは、リスクを引き受けるということでもあります。開業税理士は、ビジネス上のリスクを評価し、対策を立てる能力が必要です。

高度な専門知識: 独立した税理士として、特定の専門領域に深い知識を持つことは大きなアドバンテージとなります。特化したサービスを提供することで、特定の市場ニッチで競争力を持つことができます。

適応性: 法律や規制の変更、経済状況の変動、新たな技術の登場など、ビジネス環境は常に変化しています。開業税理士は、これらの変化に対応し、ビジネスを適応させる能力が必要です。

継続的な学習の意欲: 税法は複雑であり、絶えず変化しています。そのため、開業税理士は継続的に学び、最新の情報を把握する意欲と能力が求められます。

財務計画能力: 開業税理士は自身のビジネスの財務計画を立てる能力が必要です。これには、収入予測、経費管理、投資計画、資金調達戦略などが含まれます。

エンパシーとコミュニケーション能力: 顧客からの信頼を獲得し、長期的な関係を築くためには、彼らのニーズや懸念を理解し、それに対応するための優れたコミュニケーション能力が必要です。

これらの能力と特性を持つ人々は、開業税理士として成功し、また高い年収を得る可能性が高いです。また、自身の専門知識を活用して、クライアントに価値を提供し続けることができる人々が、開業税理士として成功する可能性があります。

年収から見る、所属税理士に向いている人

所属税理士に向いている人とは?

所属税理士に向いている人とは、一定の安定性と組織内での成長の機会を重視する方々であり、以下のような特性や能力を持つ方々です。

安定を求める姿勢: 開業税理士と比べて、所属税理士は給与という形で安定した収入を得ることが多いです。そのため、経済的な安定を重視する方にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。

専門性: 所属税理士は特定の税務に関する高度な専門知識を持っていることが求められます。これは、企業の特定のニーズを満たすため、または税務チームの一部として価値を提供するために必要となります。

チームワーク: 所属税理士は、多くの場合、企業の税務部門や税理士事務所の一員として働きます。そのため、他のメンバーと協力して働く能力、チームの一部として貢献する能力が求められます。

組織内での成長の意欲: 所属税理士は企業や税理士事務所の一部として働くため、組織内での昇進を通じて自身のキャリアと収入を高める可能性があります。そのため、組織内でスキルを磨き、昇進を目指す意欲がある方に向いています。

専門スキルの深化: 所属税理士は特定の領域や業界について深い知識を持つことで、専門性を深めることが可能です。これは企業の具体的なニーズに対応する能力を強化し、自己の価値を高めるのに役立ちます。

これらの特性や能力を持つ方々は、所属税理士として成功し、また一定の年収を確保する可能性が高いです。また、企業の特定の税務ニーズに対応する能力と、組織の一部として協働する能力を持つ方々が、所属税理士として成功する可能性が高いでしょう。

まとめ

開業税理士と所属税理士の年収を比較し、その差異について深掘りしました。

開業税理士とは、自己の事務所を設立し、クライアントから直接依頼を受ける税理士です。その収入はビジネスの規模、サービスの内容、クライアントの数などにより大きく変動し、年収は300万円~1億円以上と非常に幅が広いです。その一方で、業務の多様性、自己管理能力、顧客獲得のスキルなど、独立運営に必要な能力が求められます。

一方、所属税理士とは、会社や税理士事務所に所属し、その組織の一部として働く税理士を指します。所属税理士の年収は組織の規模や業績、個人の経験やスキルによるが、一般的には400万円~800万円程度となります。一定の安定した収入と定時労働が可能な一方で、組織の指示に従うことや、組織内での昇進競争が求められます。

それぞれの税理士の年収を上げるためには、開業税理士であれば新規顧客の獲得、サービスの拡大、専門性の深化などが、所属税理士であればスキルアップ、昇進、業績貢献などが重要となります。

そして、開業税理士に向いている人は、自己管理能力、リーダーシップ、経営スキルなどを持つ人々で、高度な専門知識を持つことで競争力を持つことができます。一方、所属税理士に向いている人は、チームワーク、組織内での成長の意欲、安定を求める姿勢などを持つ人々で、特定の領域や業界について深い知識を持つことが求められます。

つまり、開業税理士と所属税理士のどちらを選ぶかは、自身の能力、価値観、生活スタイルによるところが大きいです。自分にとって最適なキャリアパスを選ぶことで、自分自身のスキルと知識を最大限に活用し、より高い年収を目指すことが可能です。

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